ビジネスモデルには賞味期限があり、時代の変化に対応し、全体を俯瞰できるビジネスモデルが必要
ビジネスモデルキャンパスの重要性について下記に記載します
コダックは、14万人が働く、大企業でしたが、2012年に破産法を申請しました。(大幅に規模を縮小して2013年に再出発)ノキアは、携帯電話の世界シェアは一時期50%を占めていましたが、 2014年に携帯電話事業を米マイクロソフトに売却しました。 これらの事例は、過去のビジネスモデルは期限が切れたことを告げています。
また、日本では「技術で勝ってビジネスで負ける」と言われています。例えば、米アップル社のiPodの中身の部品は日本製のものが数多く使われています。
ただ、iPodがビジネス的に大成功した理由は、すぐれたコンセプトの製品を開発したからだけではなく、iPod (ハードウエア)、iTunes (ソフトウエア)、iTunes Store(サービス)が
三位一体になった「すぐれたビジネスモデル」を創出したことにあります
ビジネスモデルを議論には、経営全般にわたるさまざまな要素が複雑に関係してくるために、異なるメンバー間で共通認識を作るのが困難で、往々にして議論がかみ合わないという問題が生じます。
こうした問題の解決策として考案されたのが、「ビジネスモデル・キャンバス」です
ビジネスモデル・キャンバスは、スイス・ローザンヌ大学教授/多摩大学大学院グローバルフェローであるイヴ・ピニュール教授とアレックス・オスターワルダー氏と共に共同開発され、世界で100万部のベストセラーとなった「ビジネスモデル・ジェネレーション」で紹介しています。
また、ビジネスモデル・キャンバスは、GE、インテル、コカコーラ、ネスレ、マスターカードなどフォーチュン500や世界の先進企業、ハーバード大学、スタンフォード大、UCバークレー、IMDなど欧米の超一流ビジネススクールで採用されています。
ビジネスモデル 9つの要素で捉え、一枚の地図に描く
顧客関係:CR(Customer Relationships)・・・顧客との関係性を構築、維持、展開するための様々な仕組み
顧客セグメント:CS(Customer Segment)・・・組織が作りだす価値を届ける相手:人、他の組織
チャネル:CH(Channels)・・・顧客の求める価値を提供していることを告知する方法、その価値を届ける様々なルート
提案価値:VP(Value Propositions)・・・顧客の抱える問題を解決し、ニーズを満たすもの
主な事業活動:KA(Key Activities)・・・ビジネスモデルが機能するように組織が取り組まなければならない活動
キーパートナー:KP(Key Partner)・・・外部に委託(アウトソース)される活動や、外部から調達されるリソース
主要資源:KR(Key Resources)・・・これまでにあげた要素を提供するのに必要となる資源(リソース)
収入:RS(Revenue Streams)・・・顧客に、与える価値が届けられる際、支払われるお金
コスト:CS(Cost Structure)・・・キーリソースを調達し、キーアクティビティを行い、キーパートナーと働くために支払うコスト
提案価値を中心に、左側に企業サイド、右側に顧客サイドに分けて俯瞰できる構造
【提案価値】
顧客に提案できる価値を中心に企業サイドと顧客サイドに分けて、提案価値を実施するための施策、人、物、金を俯瞰的に記載します
【顧客サイド】顧客に関わる状況と収入の流れを記載
①誰に対して、提供価値を感じてもらうのか?
②提供価値を展開/維持する仕組みは?告知する方法、価値を届けるルートは?
③顧客に与える価値が届けられる際、支払われるお金
【企業サイド】自分達の活動とそれに関わるコスト記載
①提案価値を提供するためには企業はどのような活動が必要か?
②企業活動を行うために必要なパートナは? 自社リソースは?
③パートナー、リソースを維持するためのコストは?
異なる組織間で共通認識を図る
【現場サイド】現場目線での担当者サイドで提供できる価値
戦略部門:経営企画部門、戦略部門等、販売企画部門、商品開発部門、人材開発部門
フロント部門:マーケティング部門(販促部門、広告部門、広報部門)営業部門、店舗管理部門、WEB販売部門
バックエンド部門:カスタマーサポート部門、経理部門、調達部門、各種製造/生産部門、システム管理部門、調達部門(外注管理部門、関係会社管理部門等)、物流チーム、品管理部門、法務部門、商品サービス部門
【経営サイド】ビジネスとしてどのように成立させるか?
「ビジネスモデル・キャンバス」と「ピクト図解」の2つセットで考え、誰が(Who)誰に(Whom)何を(What)いくらで(How much)の「3W1H」に着目し、”経営者の視点”でビジネスモデルをデザイン(設計・創造)します。
ビジネスモデル フレームワーク説明
具体的にビジネスモデルキャンパスを作成しよう!
上記のビジネスモデル 9つの要素について、具体的になにを記入するのかについて、説明します。
①CS:顧客セグメント・・・誰のために、私たちは価値を創造しているか? 最も重要な顧客は誰か? マス/ニッチ、細分化/多角化?
サンプル:学生、社会人、主婦、高齢者、大企業、中小企業、メーカー、官公庁、地方自治体
②提案価値・・・どのような関係を持ち、またそれを維持することを各顧客層は私達に期待しているのか? 顧客が、他ではなく私達を選ぶ理由は?
サンプル:新しさ、性能 ブランド、高い安全性、安さ、優れたデザイン性 社会的ステータス、美味しさ、カスタマイズ性、便利さ、使いやすさ、健康、リスクの低減
②顧客関係・・・どのような関係を持ち、またそれを維持することを各顧客層は私達に期待しているのか?
サンプル:対面での親身なサービス、自動化サービス、セルフサービス、売り切り、単発契約、リピート、定期契約、メンテナンス契約、共同作業、コミュニティ運営、ブランド、共創関係、メンバーシップ
③チャネル・・・各顧客は、どのチャネルで認知、評価、購入/販売してほしいのか? また、購入後のサービス提供方法は?
サンプル:広告、営業、商談会、WEBサイト、学会、店舗(直営店、小売店、フランチャイズ等)、通販、訪問販売、自動販売機、オークション、SNS、コールセンター
④主な事業活動・・・企業価値の提案に必要な主要な事業活動はなにか? ビジネスモデルが機能する為の「作ること」「売ること」「サポート」は?
サンプル:仕入れ、製造、出荷、販売、研究、企画、開発、生産準備、調達活動、マーケティング、プラットフォーム運営
⑤主要資源 ・・・企業価値が必要とする主要な資源は? 人材、固定資産、知的財産、ファイナンス観点は?
サンプル:店舗、工場、機材、物流網、特許、顧客情報、ブランド、ノウハウ、営業部隊、研究者、経営陣、資金力、購買力、人脈
⑥キーパートナー・・・外部に委託(アウトソース)される活動や、外部から調達されるリソース 誰が主要パートナー、サプライヤーか? どの主要資源をパートナーから得るのか? どんな重要な活動をパートナーが行うのか? アライアンス提供 ジョイントベンチャー
サンプル:販売代理店、大学研究所、製造協力会社、物流会社
⑦収入源・・・顧客は、私達のどの企業価値に進んで支払いをするか? どのように支払っているのか? 一度きりの支払い/サポートやメンテナンスなどの継続性のある支払い? 各収入源は、総収入に占める割合はどの程度か?
サンプル:商品代金、使用料、購読料、会員費、レンタル/リースレンタル代 ライセンス料、定額料金、従量課金、メンテンナンス料、広告収入 消耗品費、ポイント購入、プレミア料金
⑧コスト構造・・・ビジネスモデル上の重要なコストは何か? どの資源、活動に最も費用を要するのか? 固定費、変動費、価値主導、コスト主導?
サンプル:製造費、開発費、広告費、製造原価、研究開発費、広告費
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